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「怜華。覚えているか?」
誰かが言っている。
「花は、枯れるから綺麗なのではない。何度枯れようが、何度でも生を紡ぎ続ける。その、懸命に生きようとする姿を見て、人間は美しいと思うんだ」
怜華はゆっくりと目を開く。
ぼんやりとした視界には、誰かが自分を見ていることしかわからない。
「美しい鶴と、怜華……か。良い組み合わせじゃないか」
声が止まる。
だが、わずかに聞こえた。
「なぁ、上の方」
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