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「なに……紫伯兄さん」
紫伯梁は驚いたようにわずかに口を開け、力なく笑う。
「そう、だったね。あ、怜華。何故かは知しませんが、あなたの父親から手紙が来てたんです」
「お父……さんが……?」
怜華は眉をひそめ、紫伯梁から差し出された手紙をゆっくりと掴んだ。
白い長方形の封筒。怜華は一瞬迷い、そしてそのまま破るようにして封を切る。
中に入っている二つ折りの紙を取り出し、緊張した面立ちで開いた。
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