序章 美

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「一時で済むんですかね」 「知らねぇよ」 まだ続けんのかよ。 ああ、もう、帰ろう。早く気を落ち着けたい。帰り支度をする。 続けても仕方ないと思ったのか、守谷も必要なもんだけ鞄に詰めた。 もし白浜の気持ちが続いたらどうするんだ? 気づけば自分に聞いていた。 6月まで続いたら……。 正直やべぇんだよな。 つうか、既婚者ってわかったら、普通諦めるよな? この嫌な予感が杞憂であればいいんだが。 とにかく早くあの恋愛脳をなんとかしねぇとな。仕事しに来てんだ、こっちは。恋愛を持ち込まれても迷惑だ。 つーか、6月の俺の楽しみが台無しになる。 「……顔が怖いですよ」 「うっせ」 俺は思考を無理やり切った。
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