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「君が白浜さん?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
立ち上がって、慌てて頭を下げる。長坂さんは、吹き出した。
「なんで、俺見ると皆慌てるんだろうな? そんな俺、怖い? 倉ほどじゃないと思うんだが」
「それは営業部長だからですよ。気軽に話せるのなんて、一部じゃないですか」
呆れた顔で守谷さんが返す。
「肩書きって大事だが、こういうときはもっとフランクにいきたいよな」
「フランク過ぎても困りません? あの人、長坂さんそっちのけで資料読んでますけど」
「元々ああいう奴だからな」
「こっちで読まないとやべぇ資料なんだよ」
守谷さんを睨み付ける倉内さんに、長坂さんは笑う。
「言ってないのか」
「言ってないっすよ。てか、長坂さんも言わないでくださいよ。まだわかんねぇし、こっちは慎重に動いてんだから」
「はいはい。まあ、俺からも言ってるから大丈夫だと思うけどな」
守谷さんとも違う仲の良さが伺える。長坂さんに対して、倉内さんは全く遠慮がない。
「改めて白浜さん、入社おめでとう」
「ありがとうございます」
「今年はきっと激動の年になるから頑張って。それから、支店が増えた関係で、池袋支店は今5人なんだが、それもそのうち解決するから安心して」
「はい」
口角を上げる長坂さんは、営業部長らしくない。みんなに好かれるのがよくわかる。
そういえば各支店10人前後の配属って言ってたっけ。
たしかに、この支店は人数が少ない。
解決するってことは人が異動してくるのかなー?
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