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「ずっと断られてたけど、やっぱり諦められなくて、昨日倉さんに相談した。そしたら、白浜さんは盛大に勘違いしてんじゃないかって言われた。どこかで話したときに僕が好きだってことを夢にも思ってなさそうだからって聞いて、今日誘ったんだ」
……。
「なるほど、僕の好きな人を勘違いしてたんだね」
ついていけない。
え、これは、素直に受け入れていいんだよね?
「……改めて! 僕と付き合ってもらえませんか?」
頭を下げる守谷さんに目を見開く。
本当に付き合えるの……。守谷さんと……?
いや、でも、私。
散々酷い恋愛の仕方してるんだけど。
そんな私を知ったら、守谷さんはドン引きだろう。
「……」
「まさか、断らないよね?」
その言葉に私はピクリと反応する。
だって、想いが通じたのはわかってるけど、私は……。
「心配しなくても、倉さんのことも……、間宮くんのことも知ってる」
気づいたら俯いていた顔を私はゆっくり上げる。
間宮くんのことも知ってる……?
え、バレてるの???
「それも全部くるめて、僕は君と付き合いたい」
「ひ、ひきませんでした?」
「引かないと思う?」
「……」
守谷さんがわからない。私だったら、こんな女ごめんだ。
彼は優しく微笑むと、口を開いた。
「それでも好きなんだよ。どうやっても。正直、こんなのは初めて」
「守谷さん……」
「ちなみに割と用意周到にして来たから、わけわからない理由で、断るのはなしね」
「用意周到……?」
首をかしげると、守谷さんは面白そうに笑う。
「山崎さん、倉さん、間宮くんの3人から、白浜さんが僕を好きだと言うことは聞いてる」
「え!?」
「ちなみに間宮くんからは、早く諦めさせろとお怒りのラインも来てる」
……。
「ズルくないですか?」
「ズルいね」
苦笑する守谷さんは、素直だ。私は思わず吹き出してしまった。
「でも、白浜さんを好きだということは本当だよ」
きゅんとしてしまった。
こういう守谷さんが本当に好き。可愛い。
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