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「ほら、やらかした」
幸いなのは明日明後日が土日だと言うことか?
今日帰ったら、ソファの上で愛海がぐったりしていた。
熱を測れば、38度。
家でも何処でも仕事しすぎだ。
「ごめん。今、ご飯作……」
「作らなくていい。俺がやりゃいいだろ」
ネクタイを緩める。
熱あんのにご飯作るとか。アホか、こいつは。
「お母さん、大丈夫?」
心配して、美海が顔を覗かせた。ままごとみてぇに、おでこに手を当てている。最近は、お母ちゃんから、お母さんとちゃんと言えるようになった。
つうか、来年はもう小学生なんだよな。こいつ。
愛海は苦笑した。
「大丈夫。移っちゃうから、お父さんといなさい」
「うん」
ちょっと心配そうにしながらも、手招きすると俺のところに来た。
冷蔵庫を確認して、適当に何か作れねぇか考える。
お、焼きそばあんじゃねぇか。
オム焼きそばにしちまえばいいや。
明日土曜で、美海は幼稚園ねぇけど、実家に頼むか。
「焼きそば食うか」
「食べるー!」
適当に野菜を切ってオム焼きそばを作った。
「うまい!!」
「おお、うめぇか」
割と美味くできたらしく、美海は頬張りながら目を輝かす。
可愛いな、おい。
いくらでも作ってやりたくなる。
「ごちそーさま!」
「風呂入ってこい」
「はーい」
最近は、風呂も一人で入れるようになって手が掛からねぇな。その間に洗い物を済ませて、愛海の様子を見る。ソファの前で胡座をかいた。
「飯は?」
「食欲ない」
「なんか口に入れられそうなもん買ってくるか?」
「……いや、いいよ」
食欲はないらしい。
「春江さんのこと、引きずってんだろ?」
「引きずってるというか……」
「なんだよ?」
「もうちょっとやれることあったんじゃないかなぁって」
「それを引きずってるって言うんだろうが」
まあ、言いてぇことはわかるけどな。
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