エピソード1

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いつも聞き慣れた声だった。 妹のナナだ。間違いない。 手探りで駆け寄り、ナナの身体に触れた。 倒れているナナの身体を抱き上げ 自分の方に寄せる。 呼吸が苦しそうなのに 暗闇でナナの状態が把握できない。 ナナの手を握る。 「ナナ!!!!ナナなんだな!?どうして苦しそうなんだ!!!真っ暗で見えない。お兄ちゃんに状態を教えてくれ。」 ナナが手をギュッと握り返してきた。 「お兄ちゃん.....。私、もうダメかもしれない。」 震えとかすれた声でナナは言う。 「どうした!?なんでだ?!何かあったのか!!!!ダメとか言うな...っ。お兄ちゃんが助けてやるからなにがあったか教えてくれっ...。頼むから...っ。」 ナナの手を離し、華奢で力なく もたれ掛かるナナの身体を 優しく、抱きしめる。
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