2人が本棚に入れています
本棚に追加
いつも聞き慣れた声だった。
妹のナナだ。間違いない。
手探りで駆け寄り、ナナの身体に触れた。
倒れているナナの身体を抱き上げ
自分の方に寄せる。
呼吸が苦しそうなのに
暗闇でナナの状態が把握できない。
ナナの手を握る。
「ナナ!!!!ナナなんだな!?どうして苦しそうなんだ!!!真っ暗で見えない。お兄ちゃんに状態を教えてくれ。」
ナナが手をギュッと握り返してきた。
「お兄ちゃん.....。私、もうダメかもしれない。」
震えとかすれた声でナナは言う。
「どうした!?なんでだ?!何かあったのか!!!!ダメとか言うな...っ。お兄ちゃんが助けてやるからなにがあったか教えてくれっ...。頼むから...っ。」
ナナの手を離し、華奢で力なく
もたれ掛かるナナの身体を
優しく、抱きしめる。
最初のコメントを投稿しよう!