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定めし俺を槍玉に挙げるべくSNSにアップする気だろう。
嗚呼、うっかりしていた。
しまった。
何で気づかなかったんだろう。
もう踏んだり蹴ったりだ。
元はと言えば、俺の心が病んでるからいけないんだ。
そして皆も・・・と青年は思った。
自宅に帰ってから青年は急いで服を脱いでシャワーを浴びて全身を拭いて服もアベノマスクも洗濯してベランダに干した。
風で侘しげに揺れるアベノマスクをソファに座って眺めながら鬼の居ぬ間に洗濯か・・・と思い、少し可笑しくなったが、自棄糞でしか手を取り合えない世の中か・・・俺の春はいつ訪れるのだろうと青年は途方に暮れた。彼はあのカップルの声と像と唾が心に潜在する恐れから生まれた幻聴と幻覚だったとは少しも疑わなかったのだ。
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