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アベノマスクを着用して公園を散歩する青年。彼はいじめられっ子なのでコロナのお陰で学校へ行かなくて済む、コロナ様様と思っている。
反面、鼻元が密着しないのでコロナウィルスが侵入して来ないかとコロナをうざく感じアベノマスクに対し心許なく思っている。そうして噴水の前に差し掛かった。
通常ならカップルの一組や二組はいそうな所だが、カップルどころか人っ子一人いない。
彼女も友達もいない青年は何だか愉快な気分になった。
ところが、なんと若い男女の楽しげな話し声が聞こえて来たので青年は一転、不愉快な気分になった。
その時、噴水から飛び出したように一組のカップルが現れ、手を取り合って喜び合っている姿を目の当たりにした青年は、無茶苦茶腹立たしくなった。
おまけにマスクすらしていないから何事だ!と青年は怒り心頭に発し、自粛ポリスよろしくカップルの前まで行って怒号を上げた。
「こら!貴様ら!このご時世に何してけつかる!」
すると、「うるせえ!糞野郎!俺たちはコロナに感染して自棄糞で喜んでるんだ!」と男の方が叫ぶや、青年に唾を吐きかけ、続いて女の方も唾を吐きかけた。
「ハッハッハ!これでお前もコロナだ!」
「ざあまあみろ!ハッハッハ!」
カップルはそう言い捨てると、手を繋いで青年の前を立ち去ってしまった。
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