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第18話 どうしてくれるんだ責任を取ってくれ
「真宮……っ」
御堂に抱き留められて、紗良は朦朧としながらも心の底から安堵した。
「良かった。御堂くんいなくなっちゃったかと思った」
「いるよ、ここに」
落ち着いた低い声だったが、少しだけ震えているような気がした。紗良を抱きしめる御堂の両腕に力がこもる。風が止んで木々が擦れ合う音も治まると、境内は再びシンと静まり返った。
その静寂の奥底からぬっと這い出るように、砂利を踏みしめながらこちらに向かってくる足音が聞こえ、紗良は思わず御堂にしがみつく。
「こらこら。高校生がこんな時間に人気のない所で何をしているの? まったく……真宮と夜に会うのはこれで二度目だね」
暗闇から姿を現したのは東雲だった。
不吉な夜の空気に似合わない、穏やかな声で困ったように笑っている。御堂と抱き合うような格好のままだった事に気付き、紗良は急に恥ずかしくなって離れようとしたが、御堂はその手を緩めなかった。
「空也……何しに来た」
「何って見廻りに決まってるでしょ。お祭りの夜に、生徒たちが羽目を外さないようにね。真宮、今日は一人じゃないからって安心しちゃ駄目だよ? 禅に食べられちゃうかもしれないんだから」
茶化すようにクスクスと笑った後、急に真顔で御堂を見下ろした。それに挑むように、御堂は東雲を睨みつける。
「禅。まだだ、今じゃない。でも、その気になってくれて嬉しいよ」
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