49人が本棚に入れています
本棚に追加
…………………………………
………………………………………………ん。
「ソイ。いくら胸フェチのお前でも、それは犯罪だぞ」
「ソイ、眠ってる間に返してこい!」
「あははっ!ソイさん攫ってきちゃったの?」
何だか僕の周りで賑やかな声がする。
体が安心できるしっかりした温かいものに包まれている。
「違げぇーよ。胸好きは否定しねぇが、コイツが家の前で倒れてたから拾ってやったのッ!」
「このコが牛の獣人でなければ放置だったな。」
「説得力に欠ける。胸にしか興味のない雄の言葉ッおっ!、起きた」
え―…と、この状況って何?
僕を見ている左からホストっぽい20代の茶髪のイケメンの頭には鹿の角があるし、
その隣のリアル黒毛の熊!?
僕に笑いかけている小学生くらいの少年は気褐色の髪色に猿のような細長い尻尾がユラユラしている。
そして僕を姫抱きしてる筋肉質な30代のアメリカンな悪党顔の男に見下ろされていた。
ぐぅうう―――…
うわぁっ!盛大に僕の腹の音がその場に響いたのだった。
「何? 腹、減ってんの?」と抱きかかえる男に聞かれて、顔を赤くしながら頷けばそのまま歩き出したんだけど…
あの、自分で歩けるんですけどぉ!!
「家がない?!」
と4人の声がハモり驚いた表情をする彼らに短く簡潔に現状を説明してモグモグとご飯を食べている。
(そんなに見られると食べにくいんだけど)
「バカか?!こんなスタイルのいい牛の獣人が彷徨いてたら危ねぇ―だろうが!その体の希少価値を自覚しろよッ!!」
僕を抱きかかえていたソイという男である。体と言いながら僕の胸を見てるような気がするが気のせいだろうか?
「牛の獣人は人気があるからな。」
と鹿の角をもつイケメンの名前はジェジュンさん。
隣で一緒に頷いているリアル熊はドヨンさん。
「1人で歩くのは危ないよぉ?」
両手で頬杖をついて心配そうな表情で言ったのはヨニ君。
いや、胸は大きいけど雄で腹筋は割れてる筋肉質な体なんだけど…
(っていうか僕は牛の獣人だったんだ?!)
「牛の獣人は雄でもこんなに胸が大きいんですか?」
「だいたいはそんな感じだな、つーか牛の雌の獣人なんてレア中のレアだろ?だから雄が進化したって話もあるけどな。雄でも、たまに胸が4つとか特殊な奴もいるらしいけど、アレはアレで大変そうだぞ。」
うう゛…なにそれ怖い…
にしてもソイという男は何でこんなに牛の獣人に詳しいんだろう…
僕はご飯を食べ終えて紅茶を飲んでいたんだけれどさっきから何か
胸が痛い気がする…
――ツツ!
うう、病気なの?僕が胸を押さえて顔をしかめると
「おい、どっか痛いのか?」とソイが聞き、ジェジュンさんとヨニ君とドヨンさんが心配そうに僕を見た。
「…胸が、ズキズキするというかパンパンになってる感じがして…」
僕が言うと4人は顔を見合わせると何とも言えない表情をしていて…
「お前、飲んでもらってないのか?」
飲む?何を……と僕の表情で言いたいことが分かったのだろう
ソイは僕の胸に指をむけたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!