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「なー、どうせ見つかんねーよ」
ぶつぶつ言っている遥翔を引っ張りながらみんなを探す。
遥翔はさっきより更に不機嫌になった気もするけど、今はそれどころではない。
「あ、あれじゃない?!お~い!みんな、待っ…」
班の子を見つけて大きな声で呼びかけようとした時、私の口元を大きな手が覆った。
そのまま、お店の建物と建物の間に連行された。
「今何か聞こえなかった?」
「誰もいないよ、気のせいじゃない?」
同じ班の子たちが喋る声が遠くで聞こえる。
遥翔はしばらく私の口を塞いでいて、声が出せない。
ってか近い。
近い近い近い。
しばらくして私が遥翔の腕をたたくと、すっと手を離した。
「ねー、せっかく見つけたのになんで隠れんの?!」
遥翔はそんな私に大きなため息をついた。
「マジでおまえ、鈍感かよ」
「はぁ?なに鈍感って」
「俺は、美鈴と2人でまわりたいんだよ」
え?
「もー、マジでなんなんだよ…」
そう言って遥翔は自分の髪の毛をクシャクシャしながらしゃがみ込んだ。
「私と2人でまわりたかったの?」
遥翔の発言に、頭がついていかなくて、もう一回聞いてみる。
「もう言わねー」
「なんでよ。なんで私とっ…「好きだからだよ」
そう言って遥翔は両手で自分の顔を隠した。
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