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「え、うそ?私、君の机の上からー」
そこまで言った瞬間、なにかがパッと頭の中に浮かぶ。そうだ、昨日家を出たとき、パソコンに挿したまま…。彩響が真っ青になって叫んだ。
「バックアップない?どっか保存してない?」
「俺が途中まで作ったデータなら残ってるっす。でも、それ確か主任が家で仕上げ作業するって言ってましたよね?だから…」
佐藤くんが言った通りだ。佐藤くんがベースの作業をして、それを個人のUSBに入れ、家で続きをして自分で完成させたのだった。やばい、どうしよう、もう時間がない…!!慌てる彩響の頭になにかが閃いた。そう、今家にいるではないか、あの「生意気な家政夫」さんが…!
「俺、今すぐ主任の家行ってきます!」
「ちょ、ちょっと待って!」
急いで佐藤くんの腕を掴んだ。緊急事態なのにいきなり止められ、佐藤くんは驚いた顔でこっちを見た。彩響はポケットからスマホを出し、登録された番号へ電話をかけた。電話が繋がった瞬間、説明は全部カットして大きい声で叫んだ。
「河原塚さん、私のUSB持って来てください、今すぐ!」
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