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電話をかけて、いても立ってもいられないまま待つこと約10分。外から一瞬騒がしい音がして、がたんと扉が開いた。そこには片方にバイクのヘルメット、もう片方にUSBを高く持ち上げた河原塚さんが立っていた。いつものライダースジャケットや、派手な赤髪の彼に一瞬後光がさす。あまりにも圧倒的な存在感で、佐藤くんがボソっとつぶやいた。
「しゅ、主任のカレシかっけー!!」
「違う!」
「彩響、これだろ?!持ってきた!」
河原塚さんが手に持っているUSBを渡す。感謝の気持ちを伝える余裕もなく、彩響がそれを握ってそのまま外へ飛び…出そうとしたが、後ろで誰かが手を引っ張る。振り向くと、そこに河原塚さんが自分の手を掴んでいた。
「ど、どうしたんですか?」
「まあ、そんな慌てるなよ。まだちょっと時間あるんだろう?」
「いや、でも急いでるので…」
「とりあえずここに座れよ。ほら、早く。」
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