掃除編-2章:バイクの王子様

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河原塚さんの質問に彩響は一瞬箸を止めた。趣味?自分にとって趣味は仕事で、仕事が趣味で…。早速返事ができない彩響を見て、河原塚さんがため息をつく。 「友達とかは?」 「たまには会ってます。」 「俺、この一ヶ月近く、あんたが友達と電話するの見たこと無いぜ。」 「べつに河原塚さんの前で電話する必要ないでしょう。」 「夜が明けたと思ったらすぐに出ていって、終電で帰ってきて、たまの休みは死体のように寝ているのに、一体いつどこで友達と遊んでるんだ?夢の中で?」 「勝手に私を殺さないでください。」 「俺は心配してるんだよ。こんな生活をいつまでもしていたら、本当に死ぬぞ。」 彩響はなにも言わずに、ただ出された朝ごはんをもぐもぐ食べる。 (そんないちいち指摘されなくても…。)
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