掃除編-2章:バイクの王子様

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結局その日は一日家で休むことにした。珍しい休みに佐藤くんが心配そうなラインをくれたので、あえて絵文字もつけ、元気そうな返事を送っておいた。これで一応安心してくれるだろう。 ベッドで数時間ダラダラしていると、噂(?)を聞いた理央が訪ねてきた。 「彩響、心配したよ!倒れたんですって?」 「そんな、大したことじゃないよ。」 「全く、また徹夜を繰り返したんでしょう?もうピンピンしている20代じゃあるまいし、体のことも考えなさい。」 「小言はやめて…。」 昨日彩響が買ってきたアイスを食べながら、理央が部屋を見回す。そして驚いたように口を開けた。 「あんたの部屋、すごく綺麗になったね。あの家政夫さん、顔だけじゃなくて仕事も素晴らしいじゃない!」 確かに、以前に比べると部屋の空気は大分変わったのを感じる。帰ってきたら、散らかっている部屋を見るだけでもストレスだったのに、今はなんだか余裕まで感じられる。しかし、まだ微妙なプライドが残っていて、これがあのヤンキー家政夫のおかげとは認めたくなかった。 「あの、あまり大きい声でそんなこと言わないで、恥ずかしいから。」 「え?だって、事実言っただけだもん。家政夫さん、本当いい仕事してるね。私、いつも思ってたわ。こんな立派なマンション買ったのに、どうしてあんたはここを倉庫のように放置しているのかなーなんてね。」 理央の言葉に、一瞬アイスを食べていた彩響の手が止まった。これは、河原塚さんが言ったのと同じことだ。彩響の反応に理央が質問する。
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