掃除編-2章:バイクの王子様

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「どうしたの?」 「いや、その…あんたも勿体無いと思ったの?」 「それはもちろん、誰でもそう思うでしょう。私はあんたのことよく知っていて、まああのクソ元彼のこともあったから、今までなにも言ってこなかったけど…普通ゴミ屋敷に住んでいる人って、テレビ局とかが取材に行って、専門家にカウンセリングさせたりするでしょ?あんたももう少しこの汚さが悪化してたら、テレビ局から取材来たかもね。」 その後もしばらく雑談が続いた。理央は娘のお迎え時間だと言って、そのまま帰って行った。帰るとき、部屋の外で河原塚さんとなにか楽しく話している声が聞こえた。しかし、それより彩響はさっきの親友の話がショックすぎて、しばらくベッドの上でぼーっとしていた。 (みんな…私の汚いマンションを見て、私に問題があると思っていたの?) 自分は正常だと、必死で主張してきたのに、実際はそうではなかったのだ。 ー自分以外は、みんなこのマンションの主に問題があるって知っていたんだ。 (私以外…!)
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