掃除編-3章:大掃除、スタート!

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中から出てきたのはノートだった。外見的には特に何の変哲もない、どこにでも売ってそうなノート。しかし彩響にとって、それはただのノートではなかった。彩響はノートを手に取り、適当なページを開いた。狭苦しい文字だけど、熱情だけはたっぷりと入っていた。 「…主人公は13歳の女の子。彼女はある日、家の地下室から不思議な本を見つけた。そこには不思議な注文が書いてありー。」 幼い頃から本を読むのが大好きで、将来作家になりたいと思った。だから頭の中で思う浮かんだ考えや、アイディアをノートに書いておいた。今は形になっていないけど、いつかはきっと、有名な作家になれるー。 そんなことを考えて、コツコツとノートに夢をのせた。そして、ある日…何歳だろうか、おそらく中学2年くらいの頃だったと思う。 彩響はずっと胸の奥に隠しておいた「あの日」の記憶を思い出した。思い出すのも辛くて、ずっと考えないようにしていた、あの日を。
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