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放任とか言っても、それは息子を信用しないとなかなか言えない言葉だ。疑いのない、その純粋な信頼関係を、とても羨ましいと思う。
(もし、私が入居家政婦になるって言ったら、母はどんな反応をするんだろ。)
考えるまでもない。どこかで包丁でも持ってきて今すぐ死ぬか、自分を殺すか、どっちかにしなさいって叫んだはずだ。それで自分の気が済むまで叩くだろう。
ー「そんな金にもならない職を選ばせるため、私がここまで苦労してあなたを育てたんだと思うの?!どこまで私を裏切るつもりなの?!」
又辛い記憶がよみがえる。もうお金も稼いでいるし、これ以上母に束縛されることもないだろうに、思い出すと未だにこんな暗い気持ちになる。特に、目の前にこんなにも明るい性格の持ち主がいると、もっと…。
「彩響。実はこんなんじゃなくて…話したいことがある。」
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