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「さいきおばさーん!」
「あさみちゃん!」
天気の良い、とても平和な公園で、彩響は両腕を広げ走ってくる女の子を歓迎した。ピンクのリボンで髪を結んだ女の子は、彩響をぎゅっと抱きしめる。
「あさみちゃん、久しぶり!会いたかったよ!もう何歳?」
「あさみはさんちゃい!」
「そうか?早いね?」
「亜沙美、ママは彩響おばさんとおしゃべりしているから、あそこで遊んできて。」
「はーい。」
亜沙美を滑り台のところに行かせて、彩響は理央と一緒にベンチへ座った。あっちこっち走り回る亜沙美を見ながら、彩響が言った。
「早いね、もう亜沙美も3歳か。生まれたのが昨日のことのようなのに。」
「そうね、数年後小学校行ったらまた同じこと言いそう。」
「ランドセルくらい買ってあげるよ。最近はね、ランドセルも私たちの世代と違ってすごいカラフルなんだよね、ピンクとか、紫とか、水色とか…。」
以前どこかの百貨店で売っていたランドセルを思いながら、彩響は楽しく話した。そしてふと、理央の表情が暗いことに気がついた。
「理央?どうしたの、なんかあったの?」
「彩響…私、離婚するかも…。」
「離婚?!」
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