掃除編-4章:ヤンキーにも過去はある

11/15
前へ
/164ページ
次へ
理央と別れ、複雑な気分で家に戻ってくると、玄関で見たことのない靴をいくつか発見した。形とサイズから見ると、これは男、おそらく…3人?推理しながらリビングに入ると、ソファーに座っていた人たちが一斉にこっちを見て挨拶した。 「あ、峯野さん、こんにちは。お邪魔しています。」 「やっほー。彩響ちゃん、久しぶり。元気?」 「あ、今瀬さん、雛田くん。こんにちは。三和さんも久しぶりです。」 「峯野様…いきなり訪ねて申し訳ございません…。」 「あ、大丈夫です。気にしないでください。」 そこにいたのは以前会ったことのある家政夫たちだった。彩響の声を聞いた成が、手にはお茶をのせたお盆を持ったまま、リビングから出てきた。 「あ、彩響、お帰り。意外に早かったじゃん。今日はずっとあの人…。」 「理央、ね。」 「そう、その理央さんという友だちと遊ぶんじゃなかった?」 「えーと…。仕事を思い出して。」 「なんだよ、せっかく気晴らしになると思ってたのに…。まあ、取り敢えず座れよ。」 リビングに座ると、早速雛田くんが近くへ寄ってきた。興味津々な顔で、彩響にいろいろと質問してくる。大体の内容はこの家のヤンキー家政夫さんのことだった。 「ねえねえ、彩響ちゃん、成はちゃんとやってる?」 「え?ええ、まあ…。」 「なに言ってるんだ、ちゃんとやってるに決まってるじゃん。」 「本人が言うのは信用できませーん。で、実際どうなの?」 「あ、大変お世話になっています。ほら、皆さんご覧の通りこんなに綺麗だし。」
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加