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理央と別れ、複雑な気分で家に戻ってくると、玄関で見たことのない靴をいくつか発見した。形とサイズから見ると、これは男、おそらく…3人?推理しながらリビングに入ると、ソファーに座っていた人たちが一斉にこっちを見て挨拶した。
「あ、峯野さん、こんにちは。お邪魔しています。」
「やっほー。彩響ちゃん、久しぶり。元気?」
「あ、今瀬さん、雛田くん。こんにちは。三和さんも久しぶりです。」
「峯野様…いきなり訪ねて申し訳ございません…。」
「あ、大丈夫です。気にしないでください。」
そこにいたのは以前会ったことのある家政夫たちだった。彩響の声を聞いた成が、手にはお茶をのせたお盆を持ったまま、リビングから出てきた。
「あ、彩響、お帰り。意外に早かったじゃん。今日はずっとあの人…。」
「理央、ね。」
「そう、その理央さんという友だちと遊ぶんじゃなかった?」
「えーと…。仕事を思い出して。」
「なんだよ、せっかく気晴らしになると思ってたのに…。まあ、取り敢えず座れよ。」
リビングに座ると、早速雛田くんが近くへ寄ってきた。興味津々な顔で、彩響にいろいろと質問してくる。大体の内容はこの家のヤンキー家政夫さんのことだった。
「ねえねえ、彩響ちゃん、成はちゃんとやってる?」
「え?ええ、まあ…。」
「なに言ってるんだ、ちゃんとやってるに決まってるじゃん。」
「本人が言うのは信用できませーん。で、実際どうなの?」
「あ、大変お世話になっています。ほら、皆さんご覧の通りこんなに綺麗だし。」
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