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彩響の話にみんな家の中を見回す。現状この家はどこもピカピカで、おそらく彼らもここに入った時点から、成はいい仕事をしていると思ったはずだ。彩響の話に今瀬さんが嬉しそうな顔で喋りだした。
「それは良かったです!クライアントから直接いい話が聞けて安心しました。」
「まったく、お前らそれでも俺の同僚か?もうちょっと俺を信用しろよ。」
「彩響ちゃん、成は頭まで筋肉でできているから、男の人と一緒にいるから心配?とか考えなくていいよ。」
「あ、ははは…。」
「そこまでにしてくれ、林渡。峯野様が困っている。」
(仲がいいのか、悪いのか…相変わらず変わった人たちだな…)
他愛のない話を聞きながら、彩響は彼らが入社同期で、よく4人でつるんでいたことを知った。4人ともそれなりに指名度の高い人材だったらしく、彩響はどこかで見たホストクラブのチラシを思い出した。
(いや、確かに顔はみなイケメンでは…あるけど…。いや、顔がいいのと仕事が上手なのは関係ないことで…。)
「あの、そろそろ私仕事に戻りますので…。」
「あ、ごめん、引き止めちゃって。なんか食べる?」
「大丈夫。みんなゆっくりしていってください。…では。」
部屋に戻り、テーブルの上においてあったノートパソコンに電源を入れる。まだ作成の途中だったデータを開くと、外から家政夫たちの声が聞こえた。
「成、最近はサッカーの練習してないの?」
(…サッカー?)
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