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「で、旦那さんはどうしてるの?」
ー「はあ…相変わらずだよ。」
親友の話を聞きながら、彩響はネットサイトをクリックする。コメントは特にないけど、ブックマークはまた二人くらい増えている。今までの連載分を軽くめくりながら、彩響はスマホを反対の耳に当てた。
「亜沙美ちゃんは?大丈夫?」
ー「良心の欠片が少しは残っているのか、亜沙美には優しいよ。…ごめん、毎回こんな話ばっかして。」
「そんなこと言わないで。私くらいでしょ?こんな話できる人。」
ー「そう。本当あなたくらいだわ。…あんたは最近どう?」
「私も特に変わらないよ。いつもどおり。」
ー「なんだ〜あのイケメンさんと一つ屋根の下にいるのに〜面白くないな〜」
「失礼だな。仕事熱心な人にそんなこと言わないで。」
ー「ねえ、本当の本当に何もないの?すごいいい人だったじゃん、あの家政夫さん。」
「それは…。」
ー「え〜なんかあるんだね!いいね、やっぱり青春って良いね〜若いね〜」
「あなた…私と同い年だよね?」
確かに、いろいろあった。嵐がやってきて、ボロボロになって、そして…少し成長した。なんとか無事乗り越えたのも、全て成のおかげた。
(改めて感謝しないと…でも、なんか言葉にするのはちょっと恥ずかしいな。)
「ああ、あなたのことが羨ましいよ。自由にいろんなことできて、クソ旦那のことで揉めることもないし。」
「…あなたには可愛い亜沙美ちゃんがいるでしょ。」
「亜沙美のことはもちろん大事だけど、娘が可愛いのと私の人生は別の問題だと思い始めているの。今更だけどね。」
(自分の人生、ね…。)
軽く言っているけど、友人の言葉は一つ一つ重い。娘に対する責任感で、離婚したくてもできない、ただ我慢する日々。理央は優しい子だからそんなことはないと思うけど…。もし、時が流れ、自分が自由になれなかった理由を娘のせいだと思い、娘を責めたりはしないだろうか。すこし心配になってきた。
「彩響、ちょっといい?」
ー「あら!これ家政夫さんの声?」
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