第五章

14/23
前へ
/149ページ
次へ
「もしかして、もう一人いる?」  計画的か、それとも、偶発的に猪口を殺してしまったのかは判らないが、猪口を刺した誰かは大島のドッキリの共犯者なのかも知れない。もしも、あの残された血痕が事故によってついたものでないのなら……。 「とにかく、スマホはもう一台あるはずだ」  要は部屋を見回した。  水に沈められたスマートフォンは全部で七台。  大島と猪口がスマートフォンを提出していなかった場合、もう一人誰かあの場に持って来なかったか、提出しなかった人がいるはずだ。  そしてその人物は何故か、この期に及んで自分のスマートフォンで警察を呼ぼうとは考えていないらしい。 「共犯、三人説。濃厚になって来たかな」  要はにやっと口の端を上げた。 「さて、鬼の居ぬ間に部屋を漁らせていただこうかね」  
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加