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「初瀬さん。わたし、初瀬さんが好きです。大好きですっ……」
言い終わるか終わらないかのうちに、唇になにかが触れた。
最初は、軽く。
わたしが驚いて目を開くと、至極近距離でわたしを、真剣な顔で見つめる初瀬さんがいた。
彼の顔がまた近くなる。わたしは、思わず目を閉じる。
次に、長く。
途中、わたしはとろけそうになって、思わず崩れた。
初瀬さんはあわててわたしを支えると、我に返ったように顔を赤くして申し訳なさそうな表情をした。
「ご、ごめんなさい……。
やっぱり、だめです、ぼく!
ほんともう、たがが外れるというか。
このままだと、ほんとやばそうなんで、はったおしてくれて構わないですからっ……」
力が戻ってきたわたしは、お返しにその言葉にかぶせて彼の唇を奪った。
長い、濃い、キス。
何秒か、何分か、何十分か。
もうわからないくらい唇を重ねた後、おもむろに離して、わたしは彼に言った。
「そんなこと、気にしなくていいです。
……やばく、なっちゃってください」
その言葉を聞いた彼は、一瞬面食らったような顔をして、それから、ゆっくり、深い口づけ。
そのまま抱きかかえられて……。
つづきは、ナイショ、で。
おしまい。
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