プロローグ

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どんなことが起こっても、僕はただ「そっか」と思ってしまう。それは生まれつきじゃないんだけど、あの事があって、僕はこんな風になった。でも、それは嫌なものではなく、僕にはしっくり来ていた。 だから、僕はきっとこのままだ。きっと彼女を幸せにはできなかったと思うから、僕はこれでよかったんだと思うんだ。「僕が」というより、「彼女が」の方が大事なんだ。 僕は、本当に幸せだったんだよ?今さら言っても仕方ないけど。 そんなことを考えながら、僕は窓から見える目黒川の桜を見ていた。 僕は、桜の季節にその花びらが散るように、大切な人を失った。
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