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「おじさん、どうしていなかったの? 」
「ん~~、ちょっと用事があったんだ。ごめんね? 」
娘に問われ彼が頬をかきながら困っている。
「おじさん、それなぁに? 今なにしてるの? 」
「これ? これは鎌だよ。今、そこの花壇の手入れをお手伝いしてたんだよ」
二人のやりとりに、地面とにらめっこをしていた視線を少しあげると、彼は軍手をはめ、右手に鎌を持っていた。
「……そういえば、この花壇って何を植えてるんですか? 」
視線を花壇にうつし、4月頃に鱗茎から発芽したみたいだったが、今は披針形の葉、根生葉が数枚、茎を抱く葉が十枚前後ある花が等間隔で並んでいる。
「チューベローズですよ」
「ちゅーするボーズ? 」
「あはは! チューベローズっていうお花だよ」
花壇を見ながら答えてくれた彼は、娘の聞き返しに吹き出し、しゃがみこんで目線を合わせてゆっくりと花の名前を口にした。
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