彼とチューベローズに溺れて

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「チューベローズは8月頃から咲きだして、夕方時分にはすごく甘い香りがするお花なんだよ」 「あまいの? においたーい! 」 「あはは、まだ咲いてないからもう少し待ってね」 彼がしゃがみこんだまま、娘に花の説明をしている。 じんわりと汗ばんだ背中に妙な色気を感じ、顔が火照る。 「ち、チューベローズなんて聞いた事ないですけど、有名な花なんですか? 」 彼の色気に目眩がし、早口で訊ねる。 「いえ、チューベローズはここの公園の花壇を世話している、ボランティアの会長さんの思い入れの花だそうですよ」 ……上目遣いはヤメテ。 思わずキスしたくなる可愛さだから……。
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