彼とチューベローズに溺れて

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「あ、……すいません。 その……娘さんがあまりにも……」 あまりにも可愛いから見てたのか? 可愛いのは解っているが、度が越えていて気持ちわ…… 「……私の娘と年頃が同じくらいだったので可愛くてつい…。」 ………………娘居たんかーい! ! え? 何コイツ、妻子持ちなのに定職にも付かずに毎日、他所様の娘を眺めていたの? 「あ! いや、その……、」 私の内心が顔に駄々もれだったのか、男が更に慌てふためいている。 「……妻と娘にはもう会えないんです。 お恥ずかしい話ですが、どうしても会いたくて……、 あそこの大通りで妻達を一目見れないかと思い、 ……すいません、だからといって貴方達に彼女らの影を移していたなんて失礼ですよね。 ……本当に申し訳ございません」 どうやら深い事情があるみたいだけど……。
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