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「みんな日頃の練習お疲れさま。みんながいつも頑張っているのはしっかりと見させてもらっている。では、事前に知らせていた通り、これから、新グループのメンバー発表を始める。」
町田社長の前に、研修生一同が集まる。緊迫した空気。新グループ結成の時にはいつも、こういう雰囲気になる。晴己はもう、この空気を何回も経験してきた。そして、今日こそ自分の名前が呼ばれるだろうという期待感と緊張感、そしてまた選抜されなかった、そんな絶望感を何度も感じてきた。
いよいよ発表が始まる。
「では、名前を呼ぶ。呼ばれたメンバーはレッスン終了後、社長室に行くように。」社長秘書が説明する。
研修生全員が固唾をのむ。
「日吉和也」
「はい」
「春田祐」
「はい」
「松島夏輝」
「はい」
「内村怜」
「はい」
「加藤啓哉」
「はい」
「幸村洸」
「はい」
「今回の選抜メンバーは以上6人だ。」
グループ発表が終わる。また後輩たちのグループ結成が決まった。
晴己の名は呼ばれなかった。
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