序章

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詳しい話を聞いたところによると、ここは外に続く扉のない閉鎖空間。 そして私のように小さな部屋にいつの間にか閉じ込められていた人が他にも7人いたらしい。 赤髪の男の人、赤条(あかじょう)リョウスケさんもその内の一人だと言う。 脱出を試みようと部屋の外を探索中に自分以外の人と遭遇し、もしかしたらまだ囚われてる人がいるんじゃないか、と思った赤条さんは一人で部屋一つずつを調べ回っていたらしい。 正義感溢れる行動だけど、そんな事していたら犯人に見つかってしまうかもしれないのに…。 思わずそう零すと、 「職業柄、いてもたってもいられなくって」と はにかんだ。 赤の他人をほっとけない職業…警察官、とかかな。 どうやら私の部屋で最後だったらしい。広間で待機している人たちと合流すべく、部屋から出た。数十メートルの廊下を歩き、大扉を2人で押し開けた。
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