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「ゲー…ム?」
ようやく絞り出した声で繰り返す。そう、
確かにあの子はそう言ったんだ。
まさに犯罪が起きているこの状況下で、あたかも常識かの如く平然と言ってのけた少女に狂気を覚える。
それは私だけではなかったようで、部屋全体に緊張感が走った。
「オマエらにはここから出る奴を、ゲームで決めてもらう。」
出る人を決める?裏を返せばそれって、
「ちょ、待てよ!全員は出れないとか、言わねぇよな?」
しかし私たちの質問がさも聞こえてないかのように話は止まらない。
無差別に選ばれてしまった悪運者たちには拒否権何て当たり前になく、ただただ、モニターを見つめ、犯人の声を聞くしかなかった。
「オマエらはネコとネズミ」
「ネコはネズミにバレる前に喰らいなさい」
「ネズミは喰われる前にネコを探し出せ」
「ネコになったアナタには最高の場所でしょう?」
「部屋はこの第一の間、第二の間、第三の間、そして出口がある最深部があり、ゲームが終了と同時に一つずつ扉の鍵が解除されます。」
「つまり、8人の内3人は出られないって事ね」
冷静に推理する茶敷さんの言葉を引き金に辺りの時が止まる。
今、ここに居る皆が、敵になった。
さっきまで情報の共有を促し、協力体制になりつつあった雰囲気が一瞬にして崩れ去った。
そして自然と橙野さんに視線が集まる。
7人が無意識の内に順位をつけたのだ。
それを察した橙野さんの目には涙が溜まり、恐怖で震えが大きくなっていく。
そんな被害者側の心情なんて汲み取ることなく、無常な言葉が聞こえる。
「いつ3人だなんて言いましたか?」
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