序章

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序章

あれからどのくらい経ったのか、確かめようがなかった。 窓と時計のないこの無機質な部屋。 当たり前に携帯もなく、何か手掛かりになる物がないか調べようとベットから立ち上がった。 _____ギシッ。 途端に鳴る床板は静寂に響き、私は静止し冷や汗を流す。 もし今の音を誘拐犯に聞かれていたら、何も分からず仕舞いで…、嫌な予感を振り払おう、物事をいい方向に考えて。もし、私を殺すことが目的だとしたら、そもそもこんな眠らせて時間を取る必要は無い。 それに身動きを取れる状態で放置されていたという事は、少なくともここを動き回っても向こうは何ら問題ないと考えているに違いない。 そう自分に言い聞かせ、私は今度こそ部屋を調べ始めた。 数日分の食料の入った冷蔵庫。 制服から大人っぽい服等、系統の違う服が数着掛かっているクロゼット。 そして鏡台に立て掛けられている一枚の絵画。それは黒地に葉っぱをつけた木の実のような絵で。 「…ブルーベリー?」
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