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prologue
今の気分はまるで死の宣告でも受けたかのようだ。目の前には巨大な門が口を開けて佇んでいる。
拳をつくり、その扉を叩く音はずしりと重い。
自分はこれから悪魔と契約を交わす。
果たしてそれは最善の策だと言えるだろうか。
――いやしかし、それでも腹を痛めて産んだ我が子を目の前でみすみす見殺しにはできない。
軋む音と共に開いた扉の先にあるのは光続く道なのか、はたまた茨の道になるのだろうか。
彼女は自分が下したこの決断が間違っていないことを願った。
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