なぜ、私が…

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電車の窓の風景が、右に流れていく。 私は、神崎エレン。 走り幅跳びのオリンピック代表候補だ。 今日は、その代表選考会がある。 ちょっと緊張するが、コンディションは、バッチリだ。 とても大きい会場だな。 私は、選考会場の前に立って会場を見ていた。 「何ボッーとしているんだ? エレン。」 彼女は、瀧本美織。 私と同じ、走り幅跳びのオリンピック代表候補だ。つまり、私とはライバルってことになる。 だけど、幼馴染でとっても仲がいいから、親友なんだ。 彼女は、とても男前で髪は短く、サバサバしている。 「どうした? 実は、エレンと一緒に行こうかと思っていたのだが、このままではいつまでも会場を眺めていそうだな。先に行っておくぞ!」 美織と、一緒にいたくて、私は会場へ駆けてった。私の長い髪が風になびいた。 ここは私の家。 今日の走り幅跳びの結果は驚いた。 なんと、美織と記録が全く一緒だったのだ。 これには、審査員のおじさんも驚いていた。 しかし、オリンピック選手の枠はたった一人だけ。 どうなるのかな? 1ヶ月後、選考委員会から封筒が届いた。 恐らく、あの時の結果だろう。 私は、緊張して封筒を開けた。 結果 神崎エレンさん あなたは、選考の結果 走り幅跳びのオリンピック選手になりました。 今後については、後日説明会がございます。 「ピロリン」 ケータイの着信音が鳴る。 見ると、美織からだった。 from 美織 To エレン 件名 なし エレン、私落ちちゃった。 なんでだろう。 すっごく頑張ったのに… エレンはどうだった? 「あっ」 思わず声が出てしまった。 美織やっぱり落ちちゃったんだ。 でも、私は受かった。 同じ記録だったのに… 返事送るの、嫌だな。 でも、送らなきゃいけないよね? そう思い、私は美織へ送る返事を書き出した。 from エレン To 美織 件名 なし 受かった。 ごめん 短い文章で、美織ができるだけ傷つかないように、私なりに努力してみた。 「ピロリン」 ケータイが鳴った。 美織かな?と思いメールを開くと、やっぱり美織だった。 from 美織 To エレン わかった。 正々堂々と勝負する気がないってのがね! もう絶交よ さようなら さようならの字が、ひどく冷たく見えた。
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