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閉店後
「グレアム、お疲れさま」
店の厨房の奥から料理を運んで
テーブルの上に並べるマックス
「ありがとう、アンジーは?」
彼から料理を受け取りながら訊ねるグレアム
「俺はここだよ」
厨房の奥から返事が返ってきた
「彼の料理の腕前は
たいしたものね」
厨房から二人のテーブルにやって来た女性オーナーが感心して言う
「お褒めに預かり光栄です」
カウンターから顔をだしオーナーを見て言うしたり顔のアンジーに苦笑いを浮かべるオーナー
「これならすぐにでも料理人としてやっていけるよ」
厨房の奥から料理長の声
「だってさ!なぁ、グレアム
もしもあの家に居られなくても
俺の料理とお前のピアノとて
食っていけそうだぜ🎵
使用人二人は確保してるしさ!」
したり顔のままそんなことを言う
「使用人二人って、
ぼくとサーニンのこと?」
膨れっ面になるマックス
「決まってるだろ!」
そんなアンジーの言葉にますます
膨れっ面になった
「アンジーのいつものジョーク
だから気にすることないよ」
優しい笑顔でマックスを宥める
テーブルの料理を食べ終え食器を片付けるグレアム
そんな彼の横顔を見るアンジー
ーもう大丈夫なんだなー
心の中でそう言うアンジー
「大変、早くしないと最終バスに
乗り遅れるよ」
グレアムが焦って言う
「後はいいわよ」
オーナーの気遣いで店を出る
慌てて駅前のバス停まで走った
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