幸せの日々ーアンジーの憂鬱ー

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601号室 オフィーリアの部屋の前 「とりあえず入って」 玄関のドアを開けて三人に言う 「おじゃまします」 そう言って入って行く三人  部屋の中に置かれた段ボール箱 ダイニングキッチンには二人掛けのテーブルと椅子、数人が座れる グレーのソファー 風呂場とトイレ、寝室、その前に 机が置かれた部屋がある 一人暮らしには充分な広さだ 「だから手伝ってもらうほどの荷物じゃないから…」 ため息まじりで言うオフィーリア 「でも他の荷物はどうしたの?」 部屋の中を見回し聞くマックス 「本もたくさんあったよね」 サーニンも続けて聞いてくる 「他の荷物はね、エイダの家に置かしてもらってるのよ エイダのパパさんには迷惑かけてしまったわ」 すまなさそうな様子でエイダをみるオフィーリア 「そんなこと気にしないの それにねぇ、パパはフーちゃんのこと娘だと思ってるんだからね」 その言葉を聞いて少し恥ずかしそうな表情のオフィーリア 「じゃあ俺のする事はないって わけだね!?」 恥ずかしそうな顔のオフィーリアの頬を軽く突いて言うアンジー その指を払いのけて言う 「ねぇ、みんなお腹空かない?」 サーニンとマックスが彼女を見る 「そういやぁ朝早く食べたきり」 自分のお腹を擦りながら言う 「サーニンは相変わらず食いしん坊なんだから、でも荷物片付けなくてもいいの?」 そう訊ねるマックス 「いいのよ、時間はたっぷりあるから、ますは腹ごしらえよ」 マンションを出て繁華街に向かって歩きだす一行、みんなより前を 歩いているアンジーに声をかける オフィーリア 「ねぇ、ずいぶん髪伸びたわね でも、あの頃と比べたらまだまだ 短めだけどね…」 肩よりも下に伸びてる銀色の髪を 触りながら言うオフィーリア 「確か腰まであったもんね」 「願、掛けてたからな…」 なんだか複雑な物言い 「願いは叶ったの?」 「内緒」 前を歩く二人を見つめる三人 「いつも通りなんだけど… サーニンはあの二人のことは どう思ってるの?」 「どうって…うまくいえないけど 一つだけ言えることは奴もだけど オレたちにとってもフーちゃんは 大切な人だよ!」 前の二人を見つめ言った 相変わらずじゃれ合っている その様子を愛しげに見るエイダ 「もちろんエイダもだよ!」 満面の笑みで言ったマックス 「ありがとう」 優しく微笑み返すエイダ
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