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[ファミリー]を出て歩きだす
bar [トリスタン]の前
「ねぇ、ぼくたち一緒でもいいのかなぁ?」心配顔のマックス
「いいじゃんか!
保護者同伴なんだから」
[トリスタン]の扉に手をかけて
言うアンジー
「保護者って…私たちのこと?」
オフィーリアが訊ねる
「お姉さま方
もうお酒飲めるでしょ!」
そう言って扉を開けた
店内に流れる音楽
ざわめく人々
豊潤なお酒の香り
揺らぐグラスの中の氷
そこはまさしく大人のための場所
場違いな雰囲気に戸惑いながらも
席につくサーニンとマックス
そしてグレアムも席についた
アンジーはといえば女性二人を
席に案内してカウンターの奥へと入って行った
「さすが女性の扱いは上手ね」
なんだか不機嫌なオフィーリア
「やっぱり気になるのね」
彼女の顔を見て言うエイダ
「そんなことないわよ!」
不機嫌な様子のまま答える
そんな彼女を優しく見るエイダ
三人が座るテーブル
戸惑い気味のマックス
「でも、ここでゆっくりしてたら
最終バス出ちゃうよ」
「大丈夫だよ、ジャックが迎えに
来てくれるから」
いつもと変わらない優しい笑顔で
グレアムが答える
「オレ、こういう所苦手だな…」
ボソッと呟くサーニン
「確かにサーニンには似つかわしくない所だよね」
少し笑みを浮かべるグレアム
「あっ、でもさ自分には合わないからってここに来る人のこと否定してる訳じゃないよ!」
「わかってるよ」
「お待たせー!」
カウンターから出てきたアンジー
その手元には色あざやかな飲み物
「俺たちはオレンジジュース
お姉さま方は俺さま特製カクテル、どうぞ飲んでください」
そう言って飲み物を配る
「アンジー、それお酒じゃないでしょうね?」
彼らのテーブルに置いたグラスの一つを手に取るオフィーリア
そして一口飲んだ
「やだ~
これオレンジジュース…」
「当たり前だろ!俺はもう
バカ息子じゃないよ」
「…ごめんね、
そんなつもりじゃないから…」
しょげた様子で下を向いた
するとオフィーリアが手に持ったグラスを取り上げ一気に飲んだ
「やだ、それ私の飲みかけ…」
そう言って顔を赤らめた
そのグラスを彼女に渡しながら
「俺って信用ないんだな」
拗ねた顔で言うアンジー
「だから、ごめんって」
ますますしょげてしまう
「おまえの普段の行いが悪いからだろ!自業自得だよ」
アンジーを見て言うサーニン
「でも今は真面目だよ」
アンジーを庇って言うマックス
「そうそう、人前ではいい息子
だからね!」
なんだか誤魔化すような言い方で答えるアンジー
そんな彼の態度を見てほくそ笑むグレアム、そしてオフィーリアに声をかける
「アンジーのことだから気にしなくてもいいよ、それよりこの間の童話素敵だったよ」
自分のことを誉められ恥ずかしくなるオフィーリア
「ほら、アンジー」
グレアムに促されグラスを持つ
「じやあ久しぶりの再開を祝って乾杯!」
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