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ひとしきり話しの花が咲く
ステージでダナが歌っていた
するとグレアムが席を立ちピアノの前に、そして一例して座る
演奏が止みピアノの旋律が響く
時に静かに
時に激しく
聞いてる人々の
心を揺るがす
[ファミリー]で弾いてるときとはまるで別人のようだ、やがて
ピアノの音が止み一時の静寂
そして盛大な拍手と歓声
バンド演奏が始まりダナが唄う
歌声に合わせてピアノを演奏する
扉が開き一人の紳士が入って来た
扉の前に立ち演奏を聞いている
演奏が終わり扉の前を見た彼
「ジャック…」
グレアムの声で扉の方に目をやる
「あら、お父ちゃん
いらっしゃい」
ダナがジャックを出迎える
彼女に案内されみんなの所へ来た
なんだかバツが悪そうにみんなの
席に戻って来たグレアム
少し怖い顔で立っているジャック
「ごめんなさい、約束破ったわけじゃないよ、ただ…」
言葉を濁し下を向くグレアム
「ただ、どうしたって?」
不穏な空気が二人の間を流れる
「ほら、そんな顔しないの!
グレアムはお父ちゃんとの約束は守ってるわよ、今日は久しぶりに
みんなそろったから嬉しくかったんだからいいじゃない」
二人の間に入って話すダナ
「なるほどね…」
そう言うと少し笑みを浮かべて
席に座ってる息子たちを見た
隣のテーブルにはオフィーリアと
エイダが心配そうにしていた
「お前が約束破ってるなんて
思ってないよ」
その言葉にホッとするグレアム
みんなの顔にも笑顔が戻った
「まぁそれはいいとして、お前たちがうろうろする時間じゃない」
ジャックに言われ席を立つ三人
「それじゃ帰ろうか」
グレアムの肩を叩いて言った
「お姉さま方はどうするの?」
アンジーが隣のテーブルを見た
「私たちはもう少しいるわ」
「じゃあ帰ろうか」
ジャックに促された四人
「またゆっくり会おうね」
オフィーリアとエイダに言う四人
「たまには飲みにきてください」
営業スマイルで声をかけるダナ
扉を開けて外に出る
さすがに繁華街の灯りもほとんど消えていた。駐車場まで歩きだす
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