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[ファミリー]の店内
ピアノの旋律が優しく流れる
入り口のドアが開きアンジーと
マックスが入って来る
席はほとんど埋まっていた
「ほら、あの奥が空いてるよ」
一番奥の席に座ると人影が見えた「同席していいかしら?」
テーブルの前に立つ妙齢の女性
トリスタンの歌手のダナ
「どうぞ座ってください」
マックスが笑顔で言った、隣に座るアンジーはなぜか憮然とした顔
「あら、ずいぶん不機嫌なのね
グレアムと喧嘩したの?」
アンジーに顔を近づけ訊ねる
「あのさ、どうして
そんな発想になるわけ?」
ダナの顔の前で両手を振り回し
キツい口調で言った
「いつもそうでしょ?」
少しからかうように答えた
「今は奴のことじゃないよ」
真面目な顔で言うアンジー
「ならいいけど、知ってる?
あんたと上手く言ってない時
彼のピアノの音色、
不機嫌なのよね!」
「どういう意味さ、それ!」
思わず上目遣いにダナを見た
「彼もあんたのこと
愛してるからよ🎵」
ダナの言葉に椅子から立ち上がる
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