その4

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その4

その4 「お父さん…!まさか、その儀式…」 「ああ、お父さんもやったんだ。仲間と一緒に。あの当時、確かに好奇心もあったが、さすがに怖くてみんな、肝試し感覚では実行に移せないでいた」 「じゃあ、どうして…!」 「…その当時、俺たちの悪ガキグループは年上のお姉さん数人にアタックしてたんだ。そしたら、あの儀式やれる度胸あるなら、付合ってあげるときてね…」 お父さんと悪ガキグループは10人前後だったそうですが、さすがに半分はお姉さんをあきらめました。 でも残念ながら、その中にお父さんは含まれていませんでした。 その時のお父さんは、年上のお姉さんたちと付合いたいという気持ちの方が勝ったのです。 ... 「…ちょうど節分も近かったから、実行は間もなくだった。捧げものは野良猫3匹だったよ。お姉さんたちは立ち会わなかったが、テープレコーダーとカメラは渡されてね。証拠は残さなきゃならなかったから、オヤジの言ってた通りに沿って、最後までやった。だが、ズタ袋は沈まなかった。空も暗くならなかったし、オヤジに聞いてた状況には至らなかったんだ。内心、俺たちはホッとした。結局、やることはやったんだからって、ズタ袋を引き上げて、中から猫を出して返してやったんだ」 私はちょっと安心しました。 父がこの儀式のおかげでペット嫌いになったのは事実であっても、”最悪”の予想は遠のいた…、そう思ったんです。 ところが…。
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