回想8年前…合宿5日目・試合よりもBBQ♪

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二本目もどちらかと言えば 完全に兄ちゃんのペース。 「見せてやるから…」 試合前に言っていた技 まずは…片手突き。 次は? 技と技のコンビネーション 私に見せてくれた。 面と小手へ… 小手からの相手が下がった所に 面を打ち込んだっ! これは一本ッ! 赤の旗が三本上がった。 呼吸の使い方と体力のペース配分 関係あるんだろう? 乾の兄ちゃんはそれほど 呼吸が荒くなく …スーゥスーゥ… 静かに整えながら戻ってきた。 「ちゃんと見てくれたな?」 ニコリと面金の奥の 端正な顔はその瞳は穏やかな 微笑みを見せていた 私はこくりとうなづいた。 隣のコートも準決勝へすすむ 二人がもうまもなく決まろうとしていた 1人はM高元主将明田さん もう1人…笠原さんが 兄ちゃんとは全く違う面を放った 「笠原さん!気合い入ってんなっ!」 「乾くんとは因縁あり過ぎだもんな」 「でも…笠原さん強くてもさ、 乾とじゃあ…レベルが…なァ…」 試合見ながらN高校生、K高校生、M高校生 基本的にみんな仲間で仲良しらしくて がやがや話してる。 すぐそのまま準決勝。 その前に水分補給をしないとならない。 だから面を外さずに器用にストローを 面金のスキマに通して、水分補給している。 乾の兄ちゃんはそんな周りの言葉 気にならないようだ 「響…悪いなスポドリ預かってくれ」 そう言って私に渡して、 小手つけて立ち上がる 「相手は(ひとし )だよな?」 …って、竹刀の袋から一本取り出す。 高体連のルールで計測して OKのマークついてる竹刀だ。 小学生の私にとっては… 『かっこいい!』 「竹刀どっか壊れたの?」 山本さんと打ち合っていたから 気になって聞く。 割れたり、ささくれだったりすると お互いに怪我をしてしまう。 「そうじゃない仁だからだ… ほら…持ってみな」 2本の竹刀 違うのは柄の形。 計測して重量同じ 手元に程よい重心の竹刀 これはさっきまでの試合で使っていた 出した竹刀…同じ重量の筈なのに 若干細身柄の部分も刀みたいな小判形 私には重いけど手のひらに 何故かフィットした。 「違うだろ?」 兄ちゃんはふふっと 笑って竹刀を私から取り 鍔とツバどめを付け替える 「次は俺…白だからタスキ替えてくれ」 そう言って垂れネームから (袋状になっています) 白のタスキを一本取り出して私に渡した時 ベスト4の四人の呼び出しがあった
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