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ベスト４
その組み合わせ
第一コート
赤 山川さん
白 乾の兄ちゃん
二人共にＫ高三年生
第二コート
赤 Ｍ高 明田さん
白 Ｎ高笠原さん
呼び出しの後
すぐに試合開始
否応なしに盛り上がる会場
｢そばで見てろ｣
そう言われて
玉竜旗の字が染め抜かれた
布の竹刀の袋片手に
選手の座るマットの横に座って
試合場を見る
鋭い咆哮が低く地を這うような咆哮が
お互いを牽制しあっている
山川さんってば…兄ちゃんとはやだ
そういう割に兄ちゃんに仕掛けてるじゃん！
山川さんの独特の攻め方
合宿の稽古の中で私は味わった…！
はじめは山川さんのガールフレンド
(当時の私恋人の英語読みだと思っていた)
東雲清美さんみたいな人のテンポずらし
それもあるけど怖いのは…
静かすぎる攻め方でしかもいつしかけるか？
気配がなくていきなり剣先が上昇…
面か？小手？突き？
いずれかが抜かれてしまう
でもね…
兄ちゃんはやはり動じることなく
ことごとくテンポずらしの修正して
タイミングをずらし返してあげて
急上昇からの打突に対しては
あっさりと打ち落とし面で先取！
白い旗が三本上がった。
どちらかと言えば
兄ちゃんの剣道は正統派
なおかつ何か一刀流の流派の
なめらかな動きみたいな感じ
それでも粘り強い山川さん
それ以上は取らせることはなかった
K高剣道部Ｎｏ．2
そう言われるだけあって
山川さんは果敢にせめて、さらに仕掛けていく
普通なら決まっていた
急上昇からの突き
先に察知していたのか？
すすっと兄ちゃんは足さばきのみで
軌道を流していた
｢あ～ァ…完敗…だ…っくしょう！｣
試合のあと…山川さん
面をしばし外さずにいた
じっと天井仰いで…
☆ ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒ ☆
その後…山川さんとは
大人になるまで会うことなかった
そして私が27歳の時…実業団春季大会
粘り強い剣道はそのままに
山川さん自身曰く小手先のテクだけでない
剣道を引っさげて…我が剣道部
川島さんや、慶司の前に立ちはだかった
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