現在が楽しいから別に…

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「お疲れ様ですーっ!」 よく通る大きな声。 それは、私が好きな人の声。 去年の秋の大会を見学しに行って 出会った人……。 それは…長瀬慶司さん… あっ! 『慶さん』と呼べと言われていたっけ。 「慶さんっ!お疲れ様ですー♪」 長身のちょっとG.I.ジョーみたいな ガッチリ体型。 生まれつきの栗色の髪 茶がかった瞳 彫りも深いし、遠目から見たら ちょっとハーフぽい。 「待たせな〜♪響っ!」 慶さんの隣には、慶さんよりも 背が低めだけど、肩がやけに発達した ガッチリ体型 剣道部31期『城島道真』がいた。 このふたりと私はいつも一緒だ。 過去の記憶 小学校時代。 常に毎日色んなことがあるから いちいち覚えてることは無い。 抜けてる記憶の部分 小6の時にちょっと事故で入院 それと関係してんのかな? そのきっかけすらも思い出せない。 その後、剣道から離れたのはそのせい? でもね…別に知らなくてもいい。 思い出さなくてもいい。 今の私には、好きな人がいる。 ずっと一緒にいたい…! この人と同じものを見たい!知りたい! そっちの方の気持ちが大きくて… 乾さんと出会った夏の終わりから 一時期、剣道離れた事故のきっかけ… 思い出さなくてもいい! 「悪いなぁ〜♪(きょう)っ! メシ食うの遅くなっちまってさぁ〜 行こうぜ!アイス食いに〜♪」 下から呼びかける、慶さん。 この間の稽古日に約束していた 試合に向けての稽古 『5分』その中で何本取れるか? 勝負していた…♪ 結果は? 互いに二本づつ。 時間切れの引き分けで… お互いに自販機コーナーの 『17アイス』奢り会う約束していた。 「今、おりまーす♪ あっ!すみません!お茶ご馳走様でした!」 乾さんと石野さん、山本さんに鈴木さん そして、川島さんの5人に挨拶をする。 部室棟テラスのハシゴをおりて行く。 背中に、石野さんや山本さんのからかう声と 「城島〜ァっ!2人の邪魔すんなよォ♪」 山本さんが城島に言う声 「えぇっ!なんでですか? オレと慶さんと響は…!」 慶さんの隣で城島が叫んでる。 川島さんが誰かを慰める声がして… ちょっと顔を上げると…なんだか… メガネを上げて目頭押さえる鈴木さんと なんだか表情が見えない乾さんが見られた。 けど…そんなことよりも… 『慶さん♡』だっ!
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