『覚えていないのか?』

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8年前…私は当時…小5 11歳だった 当時は大きな体格の部類 中学生にも間違えられていた 張ってきた胸がいや 生理が来た途端、益々女の子らしい 身体になってしまって 少しでも少年ぽかった頃に見せたくて 長めのショートヘア 母さんは…泣いたけど… この春…私はバレエもやめた だって…剣道の方が遥かに面白いから 小学校の友達に付き合って母さんも 喜んで四年生の終わりに入ったけど 一番長続きしなかった習い事 他にもいろんな習い事していた私 いつの間にか3つだけ 水泳・書道・…そして剣道 私の考えっていうか 強い人のデーター(道場の先輩情報)によれば 心落ち着かせるための書道 持久力としなやかさと肺活量のための 水泳が剣道に役に立つって 私の習い事は全て剣道に捧げられていた 私の目標はただ一つ 幼稚園の時に見た 父さんの胸に光る金のメダル 大きなカップ それが欲しかった 防具つけれるようになって 試合に出始めた頃知った 父さんの出た高校が 強豪校って事… その高校がインターハイって 高校日本一決める大会に出れるほどなのを そして、見てしまった! 強豪に名を連ねる「乾 祐也」って存在を 印象深い剣道を… あまりにも早い華麗な片手突きを… だからこそ…稽古をいただきたかった 私の市の中にある高校の 市内の少年少女剣士の英雄に… 毎年ある五月のこの高校主催の大会 少年少女剣道大会… 実は中体連以外の道場の中学剣士から 発掘するための大会… ウチの道場でも先輩達が合宿に招待された 他の道場からも厳選した中学剣士達 男女あわせて10名 私は、父にごねて拝み倒して… 今年…小5で身長も思いっきり伸びたし (1980年中盤代の女子中学生平均身長よりも高い) 市の大会個人を制し 夏の小中大会団体戦でも仕事をした それを評価してもらい参加する事となった ただし!厳しくて 「もういや〜っ!帰るゥ~」 なんて逃げないこと 小5だから女の子だからって 楽できないこと考えない事 約束して…初参加した 地獄の夏合宿へ… いや、地獄に思ったのは 中学3年生の先輩達だけで 私は…ただ、楽しかったしか…覚えてない。 「本当に…覚えていないのか?」 めったに表情が変わらない整った顔。 珍しく…眉をひそめて… 疑り深けに私を見つめる… …怖い… 声にこそ出さないけど… 正直にそう思った…。 なんで…? しつこく聞くの?
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