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初めての稽古は、
女子団体戦の大将だった
東雲清美さん
さすがに強い
グッと中央でつばぜり合い
「ねぇ…君…って山口先輩の
お子さんなの?似ていない
本当に小学生?…ハンサムね~」
ぼそぼそ聞かれる
「ち…違うよ私は…女…」
面金の奥…ちょっと中森明菜ぽい
大人っぽく見えるなぁ
「うっそー!」
この姉ちゃん…見てなかったのか?
着替える前の私の格好…
女の先輩達について更衣室行ったのに
この時…清美さんは…
「うそーウソぉ」ってキョドってる
チャンスっ!
「しぇえらぁっ!」
私は下からつばぜり合いを制する
正中線を割って…
「めぇぇーんっ!」
引き面を放ったんだけど
ありゃ…失敗…面布団の上
清美さんの左肩へ流れてしまった
「危ないっ!さぁ…来い!」
清美さんが中段を取り気合をかける
やっぱり…道場の先輩達とは一味違う
引き面の瞬間…清美さん
わずかに体をずらした
気がついたのに…そこから修正して
別な技に変化出来なかった
くぅ~なんか悔しい!
この時…感情から打ち込む
こちらの打ち込みに対して
のらりくらり…の清美さん
うぅ…何このテンポ?
居着いた瞬間…
私はマトモに面を抜かれた
ドーン
「交代ーっ!」
太鼓の音と監督の松本先生の声
私達は動きを止める
「後で本当に女の子か…クス
一緒にお風呂入ろうね〜♪
君は選抜関係ないからクスッ
私達と上級生用のお風呂よ」
元の位置に戻る時…言われた
うわぁ…なんだか…
納刀して立礼でずれていく清美さん
ニコニコ手を振っていた
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