回想8年前…間近に見る英雄

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初めての稽古は、 女子団体戦の大将だった 東雲清美(しののめきよみ )さん さすがに強い グッと中央でつばぜり合い 「ねぇ…君…って山口先輩の お子さんなの?似ていない 本当に小学生?…ハンサムね~」 ぼそぼそ聞かれる 「ち…違うよ私は…女…」 面金の奥…ちょっと中森明菜ぽい 大人っぽく見えるなぁ 「うっそー!」 この姉ちゃん…見てなかったのか? 着替える前の私の格好… 女の先輩達について更衣室行ったのに この時…清美さんは… 「うそーウソぉ」ってキョドってる チャンスっ! 「しぇえらぁっ!」 私は下からつばぜり合いを制する 正中線を割って… 「めぇぇーんっ!」 引き面を放ったんだけど ありゃ…失敗…面布団の上 清美さんの左肩へ流れてしまった 「危ないっ!さぁ…来い!」 清美さんが中段を取り気合をかける やっぱり…道場の先輩達とは一味違う 引き面の瞬間…清美さん わずかに体をずらした 気がついたのに…そこから修正して 別な技に変化出来なかった くぅ~なんか悔しい! この時…感情から打ち込む こちらの打ち込みに対して のらりくらり…の清美さん うぅ…何このテンポ? 居着いた瞬間… 私はマトモに面を抜かれた ドーン 「交代ーっ!」 太鼓の音と監督の松本先生の声 私達は動きを止める 「後で本当に女の子か…クス 一緒にお風呂入ろうね〜♪ 君は選抜関係ないからクスッ 私達と上級生用のお風呂よ」 元の位置に戻る時…言われた うわぁ…なんだか… 納刀して立礼でずれていく清美さん ニコニコ手を振っていた
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