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「響…俺はどっちだ?」
手書きのトーナメント表…。
見ながら乾の兄ちゃんは聞いてくる。
「赤…だけど?」
高3なんだしわかってるはずなのに…
などと思いながら答える。
「ン…じゃあ…タスキ貰ってきてくれ。」
なんて言う。
今…係の人配りに来ているのに
そんなに歩かなくてもすぐに
係の人に会えたので、
「K高の乾の兄ちゃん…あっ…
乾先輩、赤なので赤のタスキ下さい!」
「に…兄ちゃん…?あの乾を…
兄ちゃんッ!マジ?
…似合わねぇぇぇッ!」
左袖にM高の校章が施されてる
その係の人は口元を押さえていた。
思わず私は首を傾げる
兄ちゃんは兄ちゃんだし…。
あんただって私から見たら兄ちゃんだし…。
振り返って依頼した人の方向くと
苗字に「山」が付く2人に乾の兄ちゃんは
囲まれてなんだかからかわれていた
「…あの三人…やっぱり、仲いいよね…。」
「うんうん…すごく素敵♪」
遠巻きに見ている
三校の女子部員…。
三人に憧れてる人達の
声を聞きながら私は戻って行く。
素敵と言うのもわかるな。
兄ちゃんはやっぱりあの強烈な面
そして片手突き…凄いもん!
山川さんも山本さんも団体戦で
かっこいいもんね。
でもね…私の憧れと女子部員達の憧れ…
という物が別物と知るのは。
もう少し時がたってからだった。
それ位私は子どもだった。
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