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第四試合
乾の兄ちゃんは
N高二年生・風戸さんと戦う
気のせいか?
観客に女子部員が多い気がする
「祐也が出ると相変わらず
華やかだねぇー♪
ちなみに…風戸もけっこうイケルしなぁ」
兄ちゃんの友達N高・三年山本さんは
第五試合…そして赤
もう面と小手つけて控えてる
乾は試合時間が短すぎだ
…って言うのは有名な事
確かにそうかも知れない。
桜乃鷹市の英雄を追いかけて
色んな大会時間許す限り、
1番のファンの西村に連れられて
兄ちゃんの試合、見続けたけど
準決勝位まではめちゃくちゃ早く
勝負がついていた
「はじめっ!」
主審の声と共に
N高二年風戸さんは上段をとる
胸を張り堂々とした構え
一方…兄ちゃんは
上段に臆することも無く
ググッ…と前へ体重をかけている
そこから上段に対しての…平正眼の構えへ…
一部のスキの無さ…
鋭く威圧感たっぷりの咆哮が響き渡る…
見ている方もゾクリとする
三校それぞれにやっぱりファンいるのかな?
男女共にほぅ…という溜息と
黄色い声がする
「…ふふ…祐也気合いはいってんなァ」
山本さんは嬉しそうに
自分の親友であり幼なじみと
自分の高校のかわいい後輩をみつめていた
ググッと上段から落とされる竹刀
それは乾の兄ちゃんの小手へ
軌道を描いているのが読めた
「あっ!兄ちゃんッ!」
なんて思うまもなく
風戸さんの動きは止められた
同時に聞こえたのは
「突きィッ!!」
瞬間に上がるのは赤の旗
風戸さんの小手よりも早く
乾の兄ちゃんは風戸さんの
喉笛を貫いた…
本当に一瞬…の出来事…
平正眼から僅かに手首返して
空を斬らせガラ空きの
突き垂れを喉笛を貫いた
踏み込む右足
引きつける左足
伸びる腕と竹刀の軌道…
見事な連動で生み出された諸手突き…
私は思わず息をのむ…
憧れの剣士の…間近に見るその技は
あまりにも速すぎて…
ただ…ただ…絶句
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