再び、回想8年前…合宿5日目

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一本目…あっという間に決まった 呼吸を乱すこと無く 乾の兄ちゃんは開始線へ戻る 再び主審の声がかかるのと同時に それぞれの構えをとる2人の若い剣士 風戸さんはけして恐れない堂々と上段を構え 乾の兄ちゃんに挑んでいく 上段からの片手小手 気合いもろとも打ちに行く 「…祐也にゃ通じねぇぞ…」 ぽつり…と山本さんはつぶやく 私もそう思う… 案の定…小手への打突は 撃ち落とされ乾の兄ちゃんの 凄まじく重たい面が炸裂! 小手打ち落とし面… 上がる旗はもちろんまた赤 クラっとしつつも風戸さんは なんとか倒れるのを耐え抜く しかし……ふらふら 兄ちゃんの技は風戸さんに とってはやっぱりきついんだろうな 勝負がついて… 立礼のあとで…風戸さんが 膝から崩れ落ちる 「きゃあ!」 という悲鳴と 「風戸ッ!!」 と言う声 乾の兄ちゃんは駆け寄って がっちりと受け止めた 「風戸…すまない…平気か?」 面と小手を外して ハァハァと大きく肩で息する 風戸さんに兄ちゃん聞いていた 「ふぅ…はぁ…い…乾さん… 平気です…ふぅ…」 風戸さんはまだ体に疲労を 感じているだろうに 「ま…参りました! …ありがとうございました!」 床に額が付くほどの礼を述べた 一時的に試合を続けるの止めた 試合会場は再び再開 赤のタスキを着けた 乾の兄ちゃんの幼なじみの名前が呼ばれた わっとまた歓声が上がり盛り上がる 一方…隣のコートでは 順当に勝ち上がる笠原さんが 呼ばれ…これまた歓声が上がった 三回戦目…18人のトーナメント 準々決勝だよね~ 八人はササッと決まった これが終われば…BBQ 肉が若者達を待っている もちろん私も待っている ……肉を…
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