2座目 創立祭委員と数学

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…………… ……… … 登校後。 朝のホームルーム開始までユキと談笑する。 「今日、香織から部室掃除するって聞いたよ。」 「そうそう!だから今日は一緒に帰れない。ごめんな!」 「どうせ今日は図書委員の仕事もあったから別にいいよ。」 僕は本好きなのもあって図書委員に所属している。 昨年度から続けているので仕事に戸惑うということもない。 まぁ、貸し出しの受付をするくらいだし、 そもそも滅多に人なんて来ないけど。 今月さんも隣の席で友人のような存在と談笑していた。 「そっか!図書委員に『友達』とかいないのか?」 「いや…そういう『関係』の人はいないかな。」 ユキと話していると、たびたびチラッと隣から視線を感じる。 「なんだ『ぼっち』かよ。」 「…日ごとで担当分けされてるから基本『1人』だよ。」 「華落君!」 「うわっ、びっくりした!」 突然今月さんが微笑みながら声をかけてきた。 あまりにも突然だったのでさすがにびっくりした。 「今日も現代文あるでしょ?昨日教科書ありがとう。  持ち帰っちゃってたから返すね!」 「あ、うん…。…ありがとう。」 「いーえ、こちらこそっ!」 そういえば返してもらってなかったのか…。 そういって教科書を受け取ると その教科書の下には僕の小説プロットのノートが…。 「…っ!!」 「あれ?今月さん、そのノートずいぶん使い込まれてるね。」 「…っ!?ユキ!」 「ん?」 ユキが反応するとは思わなかった…。思わず焦って声が出る。 「……ふふっ、これ?『大切なノート』なの。」 「……。」 「へぇー、それだけ大切に使われたらノートも幸せだろうね。  ところでアキ、さっき何か言いかけてなかった?」 「な、なんでもないよ…。」 そんな僕の様子を尻目に 微笑みを浮かべたまま自席に戻る今月さん。 だけどその微笑みは僕には挑戦的な表情に見えた。 ユキと話してただけなのに…。かなり用心深い…。 そして自分も同じ状況にあることを再認識させてくる。 「アキ、顔色悪くない?」 「…大丈夫。」 まるで背中にナイフを突きつけられてるみたいだ。
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